一代の野僧、沢庵。
生まれながらにして将軍、家光。
紫衣の授与をめぐって対立するも、なぜ家光は沢庵に心服していったのか、う～む、ここもまた面白い＾＾；
写真は、大徳寺・法堂。家光の寄進といわれております。




　
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●朝幕間の深刻な対立を呼んだ紫衣事件
従来、朝廷が宗派を問わず高徳の僧・尼に与えていた紫衣。それを幕府が禁じたのでした。この背景には、幕府による、朝廷に対する圧迫と統制の意図がありました。

●朝廷の反発
後水尾天皇は従来の慣例通り、紫衣を勅許し与えていました。これに怒った家光は、これまでに授与した紫衣着用の勅許を無効にしようとしました。

●沢庵和尚も抗議
朝廷や、大徳寺住職・沢庵、妙心寺・東源慧等ら大寺の高僧も、強く反対しました。そこで幕府は、沢庵ら幕府に反抗した高僧を出羽国や陸奥国への流罪に処しました。寛永６年（1629)のことでした。ちなみに勅許は、朝廷の収入源の一つでもあったそうです。

●将軍家光に、沢庵和尚が謁見
でもって、1632年、将軍徳川秀忠の死により大赦令が出され、天海や柳生宗矩の尽力により、紫衣事件に連座した者たちは許されました。沢庵は、大徳寺に戻った後、家光上洛時に謁見し、家光は沢庵の高潔な人柄に心服していったのでした。

●沢庵をすっかり気に入ってしまった家光
家光は大徳寺に多大な寄進を行い、法堂、仏殿などの伽藍を現在の姿に整備しました。その後、沢庵は、家光の強い要望で江戸に入り、品川に万松山東海寺を建て住持となり、政事に関する相談もたびたび受けるようになりました。




ある日、家光が美味いものが食べたいと言うので、沢庵和尚が食事に招待します。一日中待たされ、夕方になってやっと一杯の湯漬けと香の物が出てきました。「うまい！この香の物は何という」「それは、禅寺に伝わる貯え漬です」「うむ、これを沢庵漬と名付けよう」というわけで、沢庵漬けになったのだそうです。諸説あります。




沢庵は、３７歳（1609）で、勅令により大徳寺の第１５４世住持になりましたが、立身出世を求めない彼は、野僧に徹すべしと、３日間で退山してしまいました。野僧といえば、ＮＨＫ大河「武蔵」で宮本武蔵とよく出会ってますが、二人は出会ってないそうです。これも諸説あり。




●沢庵の遺言
正保２年（1645）12月、沢庵は江戸・万松山東海寺で没しました。時に７３歳。死ぬ前に残す言葉を弟子が求めると、自分で筆を取り、「夢」の一字を書き、筆を投げ捨てるようにして、息を引き取ったのだそうです。






●二代将軍・秀忠家
家光の妹、和子（まさこ）は、後水尾天皇の中宮。ついでに同じく妹の千姫は、豊臣秀頼の正室。父は、二代将軍・徳川秀忠。母は、お江(おごう/崇源院）。お江は、浅井長政とお市の方（織田信長の妹）の三姉妹の一人。長姉は、淀殿(茶々/豊臣秀吉側室）、次姉の常高院(初)は、京極高次正室。このあたりも面白いですね、戦国セレブ総出演です。ここに春日局が絡んでくるわけで、お～こわっ＾＾；

●お玉さんもね
家光の側室といえば、玉の輿のお玉さん（桂昌院）、家光も食べたかな、あぶり餅。

というわけで、ささやかながら、大徳寺でした。次回上洛時は、充実のセルフガイドで行きたいと思います、それまで覚えていれば＾＾；
次回は、大徳寺納豆など。